🇵🇰黒板でもう迷わない!謎のパキスタン料理ジャンル&写真付き解説📋

黒板でもう迷わない!パキスタン料理のジャンルと写真付き解説(ナワブなど都内店対応) 🇵🇰パキスタン料理

Namkin」「Achari 」「Balochi 」「Gosht」

インド料理店とパキスタン料理店の違いがわかるようになり、店の片隅にある黒板に気づいたあなた。

気づいたけど黒板に並ぶメニュー見て、料理わかりましたか?😅💦

前回の記事で、【パキスタンレストランについて】をお届けしましたが、
今回はその“中身”を深堀り!

パキスタン料理はジャンルごとに特色があって、それぞれの味・文化背景を知っておくと、注文がもっと楽しくなります🇵🇰

本記事では、パキスタン料理店の黒板料理をジャンル別に解説📝


🍛 ご飯もの・炊き込み系(Pilaf / Steamed Rice)

マトンビリヤニ(Mutton Biryani)
骨付きマトンとバスマティライスを重ね、スパイスとともに蒸し上げる香り高い炊き込みご飯。カルダモンやクローブ、シナモンなどのホールスパイスがふわりと立ち、肉の旨味が米一粒一粒に染み込む。地方によって色合いや風味が異なり、カラチ式はややオイリーでスパイス強め、ハイデラバード式はサフランの香りとコクが特徴。パキスタンでは祝い事や週末のごちそうとして欠かせない存在。

「白い皿に盛られたマトンビリヤニ。バスマティライスの上にゆで卵の輪切りとオレンジスライスが添えられ、奥にはゆで卵入りのカレーと、左には白く泡立ったラッシーのグラスが並ぶ」

@Malhaba池袋


カブリプラオ(Kabuli Pulao)
甘じょっぱくて香り高い“祝い飯”。アフガニスタン発祥の炊き込みご飯の炊き込みご飯で、レーズンやナッツ、にんじんが香りと彩りを添える。

館林ニューぺシャワールのカブリプラオ。レーズンとにんじんが彩るアフガニスタン発祥の祝い飯

@ニューペシャワール館林

ナワブダイニングカフェ西新宿のカブリプラオ。香ばしいフライドオニオンとナッツ、ライタ付き

@Nawab dining & Cafe 西新宿


マトンマクルーバ(Mutton Maqluba)  
鍋ごとひっくり返して盛り付ける、中東レバント地方の伝統的なピラフ料理。層状に重ねた米、肉、野菜がひっくり返すことで美しい層を見せ、家庭や祝い事で振る舞われることが多い。

大阪ハラルレストラン千船のマトンマクルーバ。層状のご飯にマトン、じゃがいも、パプリカ、カシューナッツをのせた中東風ピラフ

@大阪ハラルレストラン千船

🍖 カラヒ系(Karahi / Iron Pot Curries)

チキンカラヒ(Chicken Karahi)  
鶏肉を鉄鍋で炒め煮にし、トマト、グリーンチリ、ショウガで仕上げた香り高い一皿。マトン版より軽く、短時間で調理されるため鶏のジューシーさが際立つ。出来立てを熱々のまま食べるのが醍醐味。

「黒い鉄鍋に盛られたチキンカラヒ。赤いトマトベースのグレービーに骨付き鶏肉が入り、千切りショウガがトッピングされている。左には白いラッシーのグラス、奥にはバスケットに入ったナンが見える」

@Malhaba 池袋


マトンカラヒ(Mutton Karahi)  
骨付きマトンを鉄鍋(カラヒ)で豪快に煮込んだ定番カレー。トマトの甘みとグリーンチリの刺激、ショウガの香りが一体となり、濃厚ながらも後味は軽やか。パキスタンの宴席や日常食として幅広く愛される。

「黒い鉄鍋に盛られたマトンカラヒ。赤く濃厚なトマトベースのグレービーに骨付きマトンが入り、千切りショウガとグリーンチリ、香菜がトッピングされている。背景にはナンが見える」

@Malhaba 池袋


🧂 ナムキン系(Namkin / Salt-Based Dishes)

ナムキンゴーシュト(Namkin Gosht)  
を主体に、骨付き肉を水や出汁でシンプルに煮込むパキスタン北西部の郷土料理。スパイスは最小限で、肉本来の味を際立たせる。

「白い深皿に盛られたナムキンゴーシュト。淡い緑色のスープに骨付きマトンが入り、レモンスライス、千切りショウガ、香菜がトッピングされている。背景にはナンとサラダが添えられている」

@Nawab日本橋


ナムキンチャープ(Namkin Chaap)
塩を主体に骨付き肉をじっくり煮込む、パキスタン北西部発祥の伝統料理。スパイスはほとんど使わず、肉本来の旨みを生かす。

「白い深皿に盛られたナムキンゴーシュト。淡い緑色のスープに骨付きマトンが入り、レモンスライス、千切りショウガ、香菜がトッピングされている。背景にはナンとサラダが添えられている」
sorezore

@Nawab dining & Cafe 西新宿


🍳 バローチ系(Balochi Dishes)

バローチチキン(Balochi Chicken)
パキスタン南西部・バローチスタン地方のカラヒ料理。玉ねぎ、トマト、青唐辛子、ヨーグルトをベースに煮込み、酸味とスパイスの香りを引き立てる。比較的オイル控えめで食べやすい。

「淡い緑色のグレービーに鶏肉がごろりと入ったバローチチキン。中央に赤いトマトと青唐辛子が彩りを添え、奥にはナンとサラダが並ぶ」

@Nawab dining & Cafe 西新宿


バローチマトン(Balochi Mutton)  
パキスタン南西部・バローチスタン地方発祥のカラヒ料理。骨付きマトンをトマト、青唐辛子、スパイスでじっくり煮込み、肉の脂と骨髄の旨味を引き出す。力強い風味とコクが特徴。

「淡いグリーンのスープ状グレービーに骨付きマトンが入ったバローチマトン。中央にはレモンと細切りショウガが添えられ、奥にはナンとサラダ、ラッシーが並ぶ」

@Nawab日本橋

🥘 アチャーリー・ホワイト系(Achari & White Curries)

マトンアチャーリーゴーシュト(Mutton Achari Gosht)  
マスタードシードやフェンネル、フェヌグリークなど、漬物用スパイス(アチャール・ミックス)を使ったマトンカレー。ヨーグルトやアムチュールで酸味を加え、辛味と酸味が際立つパンチのある一皿。

「濃い赤褐色のグレービーに骨付きマトンがごろりと入ったマトンアチャーリーゴーシュト。上に細切りショウガと青唐辛子がのり、奥には焼きたてのナン」

@Haji雑色

「オイルが浮いた深いブラウンのマトンアチャーリーゴーシュト。中央に青唐辛子と細切りショウガが飾られ、横には白ご飯が添えられている」

@ Zaika糀谷


チキンアチャーリーカレー(Chicken Achari Curry)
 ピクルス風スパイス(アチャール)を効かせた酸味と香り豊かなチキンカレー。フェヌグリーク、マスタードシード、フェンネルなどのアチャール特有の香辛料が立ち、トマトの酸味と合わさってさっぱりとした後味に。マトン版より軽く、鶏肉の柔らかさとジューシーさが際立つため、酸味スパイスを初めて試す人にもおすすめ。パンジャーブ地方を中心に家庭から食堂まで幅広く親しまれている一皿。
(左:ビーフパヤ 右:チキンアチャーリーカレー)

「黄金色のグレービーに鶏肉が沈むチキンアチャーリーカレー。黒いマスタードシードが浮かび、細切りショウガと香菜が彩りを添えている」

@大阪ハラルレストラン


ホワイトアチャーリー(White Achari)  
漬物用スパイス(マスタードシード、フェンネル、フェヌグリークなど)をヨーグルトベースで煮込んだ“白いカレー”。トマトや赤唐辛子を使わないため淡い色合いに仕上がり、酸味とまろやかさが同居する奥深い味わい。

「淡い色合いのホワイトアチャーリーカレー。骨付き肉の上に細切りショウガと香菜がのり、奥には香ばしく焼かれたナンとふっくらしたカブリナンが並ぶ」

@Nawab日本橋


ホワイトゴーシュト(White Gosht)
トマトを使わず、ヨーグルトや生クリーム、カシューナッツで仕上げた白いマトンカレー。カルダモンやクローブなど香り高いスパイスが主体で、辛さ控えめ。ミルキーで上品な味わいはムガル料理の流れをくむ“王宮風”の一皿。

「白くクリーミーなホワイトゴーシュト。骨付き肉の上に細切りショウガ、青唐辛子、香菜が添えられ、奥には香ばしく焼かれたナンと、横にはドレッシングがかかったサラダが並ぶ」

@Nawab dining & Cafe 西新宿

🥩 内臓系・ゼラチン質系(Offal & Bone Marrow Dishes)

ビーフパヤ(Beef Paya)  
牛の足(すね肉と蹄)を長時間煮込んで作る濃厚スープ料理。骨や腱から溶け出したゼラチンでとろみがつき、コラーゲンたっぷり。冬場や祝祭日の朝食としても親しまれる滋養食。

「深い茶色のスープに牛のすね肉と蹄が煮込まれたビーフパヤ。骨や腱から溶け出したゼラチンでとろみがあり、上には細切りショウガと刻み香菜がトッピングされている」

@メヘマンサラエ野田


マトンパヤ(Mutton Paya)  
マトンの足(皮付き)を長時間煮込んだ濃厚スープ料理。骨や腱、皮から溶け出したゼラチンでとろみがつき、滋養たっぷり。寒い季節や特別な日の朝食としても好まれる。

「濃い茶色のスープに骨付きのマトン足が入ったマトンパヤ。ゼラチン質でとろみがあり、刻みネギが散らされている。奥にはふっくらとしたナンとサラダが添えられている」

@ アルカラム八潮


オジリ(Ojiri)
マトンやビーフの腸を使ったスパイス煮込み。丁寧な下処理で臭みがほとんどなく、やわらかく煮えたモツがグレービーに旨味を与える。パンやロティとの相性も良い。

「青唐辛子と細切り生姜をあしらったマトンまたはビーフの腸煮込み、オジリ。奥には香ばしく焼かれたロティと鮮やかなサラダが添えられ、スパイスの香りが漂う一皿」

@Nawab日本橋

「柔らかく煮込まれたマトンやビーフの腸がたっぷり入ったオジリ。トマトベースのグレービーに刻みパクチーが散らされ、濃厚な旨味とスパイスが広がる」

@メヘマンサラエ野田


マガジフライ(Maghaz Fry)  
羊の脳みそを軽く下茹でし、スパイスや香味野菜とともに炒めた料理。ねっとりとした食感とまろやかな旨味が特徴で、見た目に反してクセは少なく、意外と食べやすい。
【美味しんぼ】でも羊の脳の話は出てきましたね。

羊の脳みそをスパイスと香味野菜で炒めたパキスタン料理マガジフライ(Maghaz Fry)。濃厚でまろやかな旨味が特徴の一皿と、サラダ、チャパティ、揚げ物、ラッシーなどのセット料理。

@Nawab日本橋


タカタク(Taka Tak)
内臓や脳、心臓などを鉄板でヘラをカチャカチャ叩きながら炒める、ラホール発祥のストリート名物。調理中の「タカタカ」という音が名前の由来で、香りと音が同時に食欲をそそる。

ラホール発祥のストリート料理タカタク(Taka Tak)。羊やヤギの脳、心臓、内臓を香味野菜やスパイスと共に炒め、香りと調理音で食欲をそそる一皿。

@Home (Nawab dining & Cafe 西新宿)

🍢 肉団子・ケバブ系(Kofta / Kebab)

ナルギシコフタ(Nargishi Kofta)アンダコフタ(Anda Kofta)
ゆで卵を肉団子で包み、グレービーで煮込んだ豪華なコフタ料理。断面がまるで春咲きの「ナルギス(スイセン)」の花のように見えることからこの名がついた。肉団子部分はマトンやビーフのミンチにスパイスを混ぜて作り、油で揚げてからカレーに加えるのが一般的。味付けはヨーグルトやトマトベースで、まろやかさと香ばしさが共存する。婚礼や祝宴など特別な席で登場することが多く、見た目の華やかさからも“ごちそう感”が強い一品。

ゆで卵を肉団子で包み、スパイス香るカレーソースで煮込んだナルギシコフタ。断面が春咲きの水仙の花のように見える豪華な一皿。

@Nawab日本橋

カットされたナルギシコフタ。中央のゆで卵を肉団子とカレーが包み、鮮やかな青唐辛子と生姜がトッピングされている。

@Nawab日本橋


チャプリカバーブ(Chapli Kabab) 平たく成形したスパイシーな挽き肉カバーブ。由来は「チャッパル(草履)」で、その平たい形から名付けられた。外は香ばしく、中はジューシーで、噛むほどにスパイスと肉汁が広がる。

香ばしく焼き上げられた丸形のチャプリカバーブ2枚と、ミントソース・ヨーグルトソースが添えられた一皿。@メヘマンサラエ野田

@メヘマンサラエ野田

表面にトマトと青唐辛子をのせて焼いたチャプリカバーブ2枚と、彩り豊かなサラダ、白いソースが添えられた一皿。@Nawab日本橋

@Nawab日本橋

大きく平らに成形されたチャプリカバーブが数枚重なり、オレンジやきゅうり、千切りキャベツが添えられた一皿。@Malhaba池袋

@Malhaba池袋

🍲 スープ・煮込み系(Stew / Gravy)

チキンヤクニ(Chicken Yakhni)  
パキスタン北部で好まれる塩味ベースの滋養スープ。骨付きチキンをクミン、黒胡椒、カルダモンなどのスパイスとともにじっくり煮込み、澄んだスープに仕上げる。

「白い取っ手付きスープボウルに注がれた黄金色のチキンヤクニ。湯気が立ち上り、背景にはメニューと空の白い皿が置かれている」

@Malhaba池袋

「茶色の縁取りがある器に盛られた黄金色のチキンヤクニ。白いテーブルクロスの上に並び、隣にはカップやスプーンが整えられている」

@フンザの宿, Pakistan


マトンマサラ(Mutton Masala)
骨付きマトンを玉ねぎ・トマト・ヨーグルトとブレンドスパイス(マサラ)でじっくり煮込んだ濃厚カレー。クミンやコリアンダーの香りに加え、仕上げのガラムマサラが深い風味を与える。地方や家庭ごとに味の差が大きく、水分少なめのドライタイプからグレービーたっぷりのタイプまで多彩。パキスタンでは日常の食卓にも、特別なおもてなしにも登場する万能な肉料理。

「赤みがかった濃厚なマトンマサラが白い深皿に盛られ、細切り生姜と刻みパクチーが中央に飾られている。奥にはこんがりと焼けたナンがバスケットに立てかけられ、テーブルクロスはエスニック柄」

@MALHABA池袋


マトンコルマ(Mutton Korma)
濃厚で香り高いグレービーが特徴の北インド〜パキスタン発祥の王道マトンカレー。ヨーグルトや玉ねぎペーストをベースに、カルダモンやクローブ、シナモンなどのホールスパイスで香りづけし、油(またはギー)で“ブーナ(炒め煮)”して旨みを凝縮させる。特別な行事や来客時に作られることが多く、肉は骨付きマトンをじっくり煮込んで柔らかく仕上げるのが本場流。ロティやナンと合わせるほか、プラオと一緒に供されることもある。

「白い縁取りの深皿に盛られた濃い茶色のマトンコルマ。中央にはレモンスライスと千切り生姜、刻み青唐辛子、パクチーがトッピングされている。奥にはふっくら焼けたナンと彩り野菜のサラダが添えられている」

@Nawab dining & Cafe 西新宿


マトンドピアザ(Mutton Do Pyaza)
名前の由来は「ド(Do)=二倍」「ピアザ(Pyaza)=玉ねぎ」。玉ねぎを通常よりたっぷり使い、調理の途中と仕上げの二段階で加えることで、甘みと香ばしさを引き出す。骨付きマトンとトマト、スパイスを合わせたグレービーはコク深く、玉ねぎの自然な甘みが辛さをやわらげる。地方によって汁気のあるタイプとセミドライタイプがあり、ロティにもライスにも合う家庭的な一皿。

「白い器に盛られた赤褐色のマトンドピアザ。骨付きマトンが入ったグレービーの上に、半分に切ったミニトマトと細切り生姜がトッピングされている。奥には丸く膨らんだナンと、別のカレー皿が見える」

@Malhaba池袋


カレラゴーシュト(Karela Gosht)
カレラは“苦瓜(にがうり)”のこと。独特のほろ苦さが、マトンの旨みとスパイスの香りに奥行きを加える。苦味は下処理でやや抑えつつも、後味にほのかな苦さが残り、脂っこい料理の多いパキスタン食文化の中で口を引き締める役割を持つ。汁気を多めにしたグレービータイプと、炒め煮風のセミドライタイプがあり、どちらもロティとの相性が抜群。夏場には食欲増進効果を期待して作られることが多い。

カレラは「苦瓜(にがうり)」のこと。独特のほろ苦さが、マトンの旨みとスパイスの香りに奥行きを与える一品です。
下処理によって苦味はやや和らぐものの、後味にふわりと残る苦みが、パキスタン料理特有のこってり感を引き締める役割を担います。

@Nawab湯島


マトンクンナ(Mutton Kunna)
パキスタン・サライキ地方発祥のまろやかマトンカレー。素焼きの土鍋で長時間煮込み、骨髄の旨みとスパイスが溶け合った優しい味わいが特徴。コク深くも重すぎず、パンやナンにもよく合う。

「素焼きの土鍋に入った黄金色のマトンクンナ。蓋が横に置かれ、スプーンが中から突き出ている。横には香ばしく焼かれたナン、細切り生姜・香菜・青唐辛子が添えられた白い皿、そしてサラダが並んでいる」

@Nawab日本橋


ダム・プクトゥ(Dum Pukht)  
低温で長時間、密閉状態の鍋で蒸し煮にする調理法から生まれた王宮風料理。肉や野菜の旨みとスパイスの香りを逃さず閉じ込め、ほろほろとほどける食感に仕上がる。にんにくの香ばしさが立ち、上品さと力強さを兼ね備えた一皿。(右)ニンニンが丸ごと一株。

「白い縁取り皿に盛られたダム・プクトゥ。黄金色のグレービーに浸った柔らかい肉と野菜が見え、上には細切りの生姜と香菜が散らされている。
ダム・プクトゥ(Dum Pukht) 丸ごとのニンニクが手に持たれ、艶やかに輝いている

@Nawab dining & Cafe 西新宿


シャブ・デグ(Shab Deg)
ペルシャ語で「シャブ(Shab)=夜」「デグ(Deg)=鍋」という名の通り、夜通し煮込む鍋料理。主にカシミールやパンジャーブ北部で冬に作られます。最大の特徴は、大きな鍋いっぱいに蕪(かぶ)と肉(マトンやラム)を重ね、ゆっくり弱火で煮込むこと。長時間の調理で蕪はとろけ、肉は骨からほろりと外れる柔らかさになります。グレービーは濃厚で甘みがあり、スパイスは控えめ。もともとは貴族や大規模な宴会用で、現在でも特別な場や冬のごちそうとして振る舞われます。

「白い深皿に盛られたシャブ・デグ。黄金色のグレービーに浸かったゆで卵、マトンの塊、肉団子、カブ、ニンジン、ジャガイモなどが彩り豊かに並び、上には細切りの生姜と香菜がトッピングされている」

@大阪ハラルレストラン


アルビゴーシュト(Arbi Gosht)
里芋(Arbi)とマトンをスパイスでじっくり煮込んだ家庭的な一皿。ホクホクとした里芋がグレービーを吸い込み、肉の旨みとスパイスの香りがほどよく絡み合う。素朴ながら満足感の高い組み合わせ。

白い花柄の皿に盛られたオレンジ色のアルビゴーシュト。里芋とマトンがスパイスグレービーに絡み、手前には銀色のスプーンが置かれている。奥には背の高いグラスに注がれた白いラッシーと、小皿の薬味が見える」

@パクカレーレストラン伊勢崎


パラクゴーシュト(Palak Gosht
パラク(Palak)=ほうれん草、ゴーシュト(Gosht)=肉の意味で、ほうれん草をペースト状に煮込んだ青菜カレーにマトンやラム、時にビーフやチキンを合わせた料理です。パキスタンではマトンが主流。ほうれん草の青さとスパイスの香りが調和し、肉のコクで奥深い味わいになります。油分はやや多めで、仕上げにギーやガラムマサラを加えて香りを立たせることが多いです。鉄分やビタミンが豊富で、冬の家庭料理としても人気があります。

「白い楕円皿に盛られた濃い緑色のパラクゴーシュト。表面には細く切ったショウガと刻んだパクチーが散らされ、奥には茶色のカレーやナンが見える。ほうれん草ペーストと肉がなめらかに混ざり合っている」

@メヘマンサラエ野田


チキンムグライ(Chicken Mughlai)
ムガル帝国時代の宮廷料理にルーツを持つ、濃厚でリッチなチキンカレー。
ヨーグルト、カシューナッツやアーモンドのペースト、クリームなどをベースに、
玉ねぎや生姜、にんにくをじっくり炒めて甘みを引き出し、
スパイスはクミン、カルダモン、シナモンなど香り高いものを使用。
全体的にマイルドで辛さ控えめ、コクとナッツの滑らかな舌触りが特徴です。
結婚式や特別な宴席でも供される“ごちそう感”のある一皿です。

「白い深皿に盛られた濃厚なオレンジ色のチキンムグライ。中央には半分にカットされたゆで卵がのせられ、周囲には鶏肉の塊が見える。背景には褐色とベージュの花柄クロスが敷かれている」

@Malhaba池袋

🥣 粥・練り系(Haleem & Lentil Porridge)

マトンハリーム(Mutton Haleem)
マトン、小麦、豆を長時間じっくり煮込み、繊維状になるまでほぐした“飲めるカレー”。濃厚な旨みと滋味深さで、寒い季節や体力回復にもぴったり。

「濃厚な緑がかったマトンハリームの上に、細切り生姜、揚げた玉ねぎ、香菜、レモンスライスが彩りよく飾られている。奥にはこんがりと焼き色がついた大きなナン、手前にはオレンジ色のドレッシングがかかったサラダが添えられている」

@Nawab日本橋


チキンハリーム(Chicken Haleem)
チキン、小麦、豆を煮崩れるまで煮込み、なめらかに仕上げた優しい味わいのハリーム。マトンより軽やかで、スパイスと旨みのバランスが絶妙。

「黄金色になめらかに煮込まれたチキンハリーム。中央には細切り生姜とフライドオニオンがトッピングされ、香ばしさが漂う。左側には焼き目のついた大きなナン、奥には彩り豊かなサラダが添えられている」

@ ニューペシャワール


ラホーリーハリーム(Lahori Haleem)
ラホール発祥の豪快ハリーム。基本はマトンを使用し、小麦や豆と長時間煮込みます。通常のハリームよりスパイスと油の量が多く、香り・コク・濃度のすべてが力強い仕上がり。食べる直前にジンジャー、フライドオニオン、レモンを添えて風味を引き立てます

「濃厚に煮込まれたラホーリーハリーム。表面に細切り生姜とフライドオニオンが散らされ、香ばしさとスパイスの香りが広がる。奥にはこんがり焼き色のついたナンが添えられている」

@アルカラム八潮

🌱 豆・野菜系(Lentil / Vegetable)

カレーパコラ(Curry Pakora)
スパイスの効いたマトンカレーに、ひよこ豆粉(ベサン)で作った団子を加えたユニークな料理。グレービーの旨みと団子の香ばしさが絡み合い、食感のアクセントも楽しいストリートフード的な一皿。

「白い器に盛られた黄色味のカレー。表面に刻みパクチーと細切りショウガが散らされ、奥にはナンが添えられている」

@アルカラム八潮

「縁に緑のラインが入った白い器に盛られた濃い黄色のカレー。中にはベサン粉の団子が入り、上から刻みパクチーがたっぷりと散らされている」

@Nawab日本橋

ダルフライ(Dal Fry /Daal Fly)
名前の由来は「ダル(Dal)=豆」「フライ(Fry)=炒める」。
豆をやわらかく煮込んだあと、スパイスと香味野菜を油で炒めたタルカ(香味油)を仕上げに加えることで、香りとコクを引き立てる。使う豆はムング豆やレンズ豆など様々で、やさしい甘みとほっこり感が特徴。辛さは控えめで、ナンやチャパティ、バスマティライスとの相性も抜群。
北インドの家庭料理として日常的に食べられる一品。

銅製の器に盛られたダルフライ。黄色い豆カレーの表面に赤いスパイスオイルが浮かび、刻み香菜が散らされている。横にはふっくら焼かれたナンが添えられている。

著者自作:ムンバイパンをメインにパオパジとダルフライ(左)


パコラ(Pakora)
ひよこ豆の粉(ベサン粉)にスパイスと水を加えて作る衣で、野菜や肉、魚などを包み、油で揚げたパキスタンを代表するスナック。写真のパコラは大ぶりで、外はカリッと、中はしっとり。
付け合わせのケチャップやミントチャツネとともに、ティータイムや軽食として楽しまれます。
家庭からストリートまで幅広く愛され、ラマダン時期のイフタール(断食明け)でも定番です。

「白い皿に盛られた大ぶりのパコラとケチャップ。黄金色の衣が香ばしく揚がっている」

@Nawab日本橋

🛒おうちで再現するなら、まずはレトルト!?🍛


✨まとめ|黒板の料理名、読めなくても大丈夫

黒板メニューって、ちょっと読み慣れない料理名もあるし、写真がないことも多い。

でも、だからこそ 「なんだろこれ?」 ってワクワクするのも事実です。

正直、よくわからないまま注文したこともあります(笑)

それでも、出てくる料理はどれも魅力的で、パキスタン料理や現地系レストランの黒板メニューは、
いつの間にかお気に入りが増えていくんですよね。

この記事が、そんな日替わり・限定メニューに挑戦してみるきっかけになればうれしいです😊

お近くにお店🇵🇰があれば、ぜひ一度トライしてみてください。

次の黒板、何が出るかはお楽しみ🛫  日々更新していきま〜す!

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