「Namkin」「Achari 」「Balochi 」「Gosht」…
インド料理店とパキスタン料理店の違いがわかるようになり、店の片隅にある黒板に気づいたあなた。
気づいたけど黒板に並ぶメニュー見て、料理わかりましたか?😅💦
前回の記事で、【パキスタンレストランについて】をお届けしましたが、
今回はその“中身”を深堀り!
パキスタン料理はジャンルごとに特色があって、それぞれの味・文化背景を知っておくと、注文がもっと楽しくなります🇵🇰
本記事では、パキスタン料理店の黒板料理をジャンル別に解説📝
🍛 ご飯もの・炊き込み系(Pilaf / Steamed Rice)
マトンビリヤニ(Mutton Biryani)
骨付きマトンとバスマティライスを重ね、スパイスとともに蒸し上げる香り高い炊き込みご飯。カルダモンやクローブ、シナモンなどのホールスパイスがふわりと立ち、肉の旨味が米一粒一粒に染み込む。地方によって色合いや風味が異なり、カラチ式はややオイリーでスパイス強め、ハイデラバード式はサフランの香りとコクが特徴。パキスタンでは祝い事や週末のごちそうとして欠かせない存在。

@Malhaba池袋
カブリプラオ(Kabuli Pulao)
甘じょっぱくて香り高い“祝い飯”。アフガニスタン発祥の炊き込みご飯の炊き込みご飯で、レーズンやナッツ、にんじんが香りと彩りを添える。

@ニューペシャワール館林

@Nawab dining & Cafe 西新宿
マトンマクルーバ(Mutton Maqluba)
鍋ごとひっくり返して盛り付ける、中東レバント地方の伝統的なピラフ料理。層状に重ねた米、肉、野菜がひっくり返すことで美しい層を見せ、家庭や祝い事で振る舞われることが多い。

@大阪ハラルレストラン千船
🍖 カラヒ系(Karahi / Iron Pot Curries)
チキンカラヒ(Chicken Karahi)
鶏肉を鉄鍋で炒め煮にし、トマト、グリーンチリ、ショウガで仕上げた香り高い一皿。マトン版より軽く、短時間で調理されるため鶏のジューシーさが際立つ。出来立てを熱々のまま食べるのが醍醐味。

@Malhaba 池袋
マトンカラヒ(Mutton Karahi)
骨付きマトンを鉄鍋(カラヒ)で豪快に煮込んだ定番カレー。トマトの甘みとグリーンチリの刺激、ショウガの香りが一体となり、濃厚ながらも後味は軽やか。パキスタンの宴席や日常食として幅広く愛される。

@Malhaba 池袋
🧂 ナムキン系(Namkin / Salt-Based Dishes)
ナムキンゴーシュト(Namkin Gosht)
を主体に、骨付き肉を水や出汁でシンプルに煮込むパキスタン北西部の郷土料理。スパイスは最小限で、肉本来の味を際立たせる。

@Nawab日本橋
ナムキンチャープ(Namkin Chaap)
塩を主体に骨付き肉をじっくり煮込む、パキスタン北西部発祥の伝統料理。スパイスはほとんど使わず、肉本来の旨みを生かす。

@Nawab dining & Cafe 西新宿
🍳 バローチ系(Balochi Dishes)
バローチチキン(Balochi Chicken)
パキスタン南西部・バローチスタン地方のカラヒ料理。玉ねぎ、トマト、青唐辛子、ヨーグルトをベースに煮込み、酸味とスパイスの香りを引き立てる。比較的オイル控えめで食べやすい。

@Nawab dining & Cafe 西新宿
バローチマトン(Balochi Mutton)
パキスタン南西部・バローチスタン地方発祥のカラヒ料理。骨付きマトンをトマト、青唐辛子、スパイスでじっくり煮込み、肉の脂と骨髄の旨味を引き出す。力強い風味とコクが特徴。

@Nawab日本橋
🥘 アチャーリー・ホワイト系(Achari & White Curries)
マトンアチャーリーゴーシュト(Mutton Achari Gosht)
マスタードシードやフェンネル、フェヌグリークなど、漬物用スパイス(アチャール・ミックス)を使ったマトンカレー。ヨーグルトやアムチュールで酸味を加え、辛味と酸味が際立つパンチのある一皿。

@Haji雑色

@ Zaika糀谷
チキンアチャーリーカレー(Chicken Achari Curry)
ピクルス風スパイス(アチャール)を効かせた酸味と香り豊かなチキンカレー。フェヌグリーク、マスタードシード、フェンネルなどのアチャール特有の香辛料が立ち、トマトの酸味と合わさってさっぱりとした後味に。マトン版より軽く、鶏肉の柔らかさとジューシーさが際立つため、酸味スパイスを初めて試す人にもおすすめ。パンジャーブ地方を中心に家庭から食堂まで幅広く親しまれている一皿。
(左:ビーフパヤ 右:チキンアチャーリーカレー)

@大阪ハラルレストラン
ホワイトアチャーリー(White Achari)
漬物用スパイス(マスタードシード、フェンネル、フェヌグリークなど)をヨーグルトベースで煮込んだ“白いカレー”。トマトや赤唐辛子を使わないため淡い色合いに仕上がり、酸味とまろやかさが同居する奥深い味わい。

@Nawab日本橋
ホワイトゴーシュト(White Gosht)
トマトを使わず、ヨーグルトや生クリーム、カシューナッツで仕上げた白いマトンカレー。カルダモンやクローブなど香り高いスパイスが主体で、辛さ控えめ。ミルキーで上品な味わいはムガル料理の流れをくむ“王宮風”の一皿。

@Nawab dining & Cafe 西新宿
🥩 内臓系・ゼラチン質系(Offal & Bone Marrow Dishes)
ビーフパヤ(Beef Paya)
牛の足(すね肉と蹄)を長時間煮込んで作る濃厚スープ料理。骨や腱から溶け出したゼラチンでとろみがつき、コラーゲンたっぷり。冬場や祝祭日の朝食としても親しまれる滋養食。

@メヘマンサラエ野田
マトンパヤ(Mutton Paya)
マトンの足(皮付き)を長時間煮込んだ濃厚スープ料理。骨や腱、皮から溶け出したゼラチンでとろみがつき、滋養たっぷり。寒い季節や特別な日の朝食としても好まれる。

@ アルカラム八潮
オジリ(Ojiri)
マトンやビーフの腸を使ったスパイス煮込み。丁寧な下処理で臭みがほとんどなく、やわらかく煮えたモツがグレービーに旨味を与える。パンやロティとの相性も良い。

@Nawab日本橋

@メヘマンサラエ野田
マガジフライ(Maghaz Fry)
羊の脳みそを軽く下茹でし、スパイスや香味野菜とともに炒めた料理。ねっとりとした食感とまろやかな旨味が特徴で、見た目に反してクセは少なく、意外と食べやすい。
【美味しんぼ】でも羊の脳の話は出てきましたね。

@Nawab日本橋
タカタク(Taka Tak)
内臓や脳、心臓などを鉄板でヘラをカチャカチャ叩きながら炒める、ラホール発祥のストリート名物。調理中の「タカタカ」という音が名前の由来で、香りと音が同時に食欲をそそる。

@Home (Nawab dining & Cafe 西新宿)
🍢 肉団子・ケバブ系(Kofta / Kebab)
ナルギシコフタ(Nargishi Kofta)=アンダコフタ(Anda Kofta)
ゆで卵を肉団子で包み、グレービーで煮込んだ豪華なコフタ料理。断面がまるで春咲きの「ナルギス(スイセン)」の花のように見えることからこの名がついた。肉団子部分はマトンやビーフのミンチにスパイスを混ぜて作り、油で揚げてからカレーに加えるのが一般的。味付けはヨーグルトやトマトベースで、まろやかさと香ばしさが共存する。婚礼や祝宴など特別な席で登場することが多く、見た目の華やかさからも“ごちそう感”が強い一品。

@Nawab日本橋

@Nawab日本橋
チャプリカバーブ(Chapli Kabab) 平たく成形したスパイシーな挽き肉カバーブ。由来は「チャッパル(草履)」で、その平たい形から名付けられた。外は香ばしく、中はジューシーで、噛むほどにスパイスと肉汁が広がる。

@メヘマンサラエ野田

@Nawab日本橋

@Malhaba池袋
🍲 スープ・煮込み系(Stew / Gravy)
チキンヤクニ(Chicken Yakhni)
パキスタン北部で好まれる塩味ベースの滋養スープ。骨付きチキンをクミン、黒胡椒、カルダモンなどのスパイスとともにじっくり煮込み、澄んだスープに仕上げる。

@Malhaba池袋

@フンザの宿, Pakistan
マトンマサラ(Mutton Masala)
骨付きマトンを玉ねぎ・トマト・ヨーグルトとブレンドスパイス(マサラ)でじっくり煮込んだ濃厚カレー。クミンやコリアンダーの香りに加え、仕上げのガラムマサラが深い風味を与える。地方や家庭ごとに味の差が大きく、水分少なめのドライタイプからグレービーたっぷりのタイプまで多彩。パキスタンでは日常の食卓にも、特別なおもてなしにも登場する万能な肉料理。

@MALHABA池袋
マトンコルマ(Mutton Korma)
濃厚で香り高いグレービーが特徴の北インド〜パキスタン発祥の王道マトンカレー。ヨーグルトや玉ねぎペーストをベースに、カルダモンやクローブ、シナモンなどのホールスパイスで香りづけし、油(またはギー)で“ブーナ(炒め煮)”して旨みを凝縮させる。特別な行事や来客時に作られることが多く、肉は骨付きマトンをじっくり煮込んで柔らかく仕上げるのが本場流。ロティやナンと合わせるほか、プラオと一緒に供されることもある。

@Nawab dining & Cafe 西新宿
マトンドピアザ(Mutton Do Pyaza)
名前の由来は「ド(Do)=二倍」「ピアザ(Pyaza)=玉ねぎ」。玉ねぎを通常よりたっぷり使い、調理の途中と仕上げの二段階で加えることで、甘みと香ばしさを引き出す。骨付きマトンとトマト、スパイスを合わせたグレービーはコク深く、玉ねぎの自然な甘みが辛さをやわらげる。地方によって汁気のあるタイプとセミドライタイプがあり、ロティにもライスにも合う家庭的な一皿。

@Malhaba池袋
カレラゴーシュト(Karela Gosht)
カレラは“苦瓜(にがうり)”のこと。独特のほろ苦さが、マトンの旨みとスパイスの香りに奥行きを加える。苦味は下処理でやや抑えつつも、後味にほのかな苦さが残り、脂っこい料理の多いパキスタン食文化の中で口を引き締める役割を持つ。汁気を多めにしたグレービータイプと、炒め煮風のセミドライタイプがあり、どちらもロティとの相性が抜群。夏場には食欲増進効果を期待して作られることが多い。

@Nawab湯島
マトンクンナ(Mutton Kunna)
パキスタン・サライキ地方発祥のまろやかマトンカレー。素焼きの土鍋で長時間煮込み、骨髄の旨みとスパイスが溶け合った優しい味わいが特徴。コク深くも重すぎず、パンやナンにもよく合う。

@Nawab日本橋
ダム・プクトゥ(Dum Pukht)
低温で長時間、密閉状態の鍋で蒸し煮にする調理法から生まれた王宮風料理。肉や野菜の旨みとスパイスの香りを逃さず閉じ込め、ほろほろとほどける食感に仕上がる。にんにくの香ばしさが立ち、上品さと力強さを兼ね備えた一皿。(右)ニンニンが丸ごと一株。


@Nawab dining & Cafe 西新宿
シャブ・デグ(Shab Deg)
ペルシャ語で「シャブ(Shab)=夜」「デグ(Deg)=鍋」という名の通り、夜通し煮込む鍋料理。主にカシミールやパンジャーブ北部で冬に作られます。最大の特徴は、大きな鍋いっぱいに蕪(かぶ)と肉(マトンやラム)を重ね、ゆっくり弱火で煮込むこと。長時間の調理で蕪はとろけ、肉は骨からほろりと外れる柔らかさになります。グレービーは濃厚で甘みがあり、スパイスは控えめ。もともとは貴族や大規模な宴会用で、現在でも特別な場や冬のごちそうとして振る舞われます。

@大阪ハラルレストラン
アルビゴーシュト(Arbi Gosht)
里芋(Arbi)とマトンをスパイスでじっくり煮込んだ家庭的な一皿。ホクホクとした里芋がグレービーを吸い込み、肉の旨みとスパイスの香りがほどよく絡み合う。素朴ながら満足感の高い組み合わせ。

@パクカレーレストラン伊勢崎
パラクゴーシュト(Palak Gosht )
パラク(Palak)=ほうれん草、ゴーシュト(Gosht)=肉の意味で、ほうれん草をペースト状に煮込んだ青菜カレーにマトンやラム、時にビーフやチキンを合わせた料理です。パキスタンではマトンが主流。ほうれん草の青さとスパイスの香りが調和し、肉のコクで奥深い味わいになります。油分はやや多めで、仕上げにギーやガラムマサラを加えて香りを立たせることが多いです。鉄分やビタミンが豊富で、冬の家庭料理としても人気があります。

@メヘマンサラエ野田
チキンムグライ(Chicken Mughlai)
ムガル帝国時代の宮廷料理にルーツを持つ、濃厚でリッチなチキンカレー。
ヨーグルト、カシューナッツやアーモンドのペースト、クリームなどをベースに、
玉ねぎや生姜、にんにくをじっくり炒めて甘みを引き出し、
スパイスはクミン、カルダモン、シナモンなど香り高いものを使用。
全体的にマイルドで辛さ控えめ、コクとナッツの滑らかな舌触りが特徴です。
結婚式や特別な宴席でも供される“ごちそう感”のある一皿です。

@Malhaba池袋
🥣 粥・練り系(Haleem & Lentil Porridge)
マトンハリーム(Mutton Haleem)
マトン、小麦、豆を長時間じっくり煮込み、繊維状になるまでほぐした“飲めるカレー”。濃厚な旨みと滋味深さで、寒い季節や体力回復にもぴったり。

@Nawab日本橋
チキンハリーム(Chicken Haleem)
チキン、小麦、豆を煮崩れるまで煮込み、なめらかに仕上げた優しい味わいのハリーム。マトンより軽やかで、スパイスと旨みのバランスが絶妙。

@ ニューペシャワール
ラホーリーハリーム(Lahori Haleem)
ラホール発祥の豪快ハリーム。基本はマトンを使用し、小麦や豆と長時間煮込みます。通常のハリームよりスパイスと油の量が多く、香り・コク・濃度のすべてが力強い仕上がり。食べる直前にジンジャー、フライドオニオン、レモンを添えて風味を引き立てます

@アルカラム八潮
🌱 豆・野菜系(Lentil / Vegetable)
カレーパコラ(Curry Pakora)
スパイスの効いたマトンカレーに、ひよこ豆粉(ベサン)で作った団子を加えたユニークな料理。グレービーの旨みと団子の香ばしさが絡み合い、食感のアクセントも楽しいストリートフード的な一皿。

@アルカラム八潮

@Nawab日本橋
ダルフライ(Dal Fry /Daal Fly)
名前の由来は「ダル(Dal)=豆」「フライ(Fry)=炒める」。
豆をやわらかく煮込んだあと、スパイスと香味野菜を油で炒めたタルカ(香味油)を仕上げに加えることで、香りとコクを引き立てる。使う豆はムング豆やレンズ豆など様々で、やさしい甘みとほっこり感が特徴。辛さは控えめで、ナンやチャパティ、バスマティライスとの相性も抜群。
北インドの家庭料理として日常的に食べられる一品。

著者自作:ムンバイパンをメインにパオパジとダルフライ(左)
パコラ(Pakora)
ひよこ豆の粉(ベサン粉)にスパイスと水を加えて作る衣で、野菜や肉、魚などを包み、油で揚げたパキスタンを代表するスナック。写真のパコラは大ぶりで、外はカリッと、中はしっとり。
付け合わせのケチャップやミントチャツネとともに、ティータイムや軽食として楽しまれます。
家庭からストリートまで幅広く愛され、ラマダン時期のイフタール(断食明け)でも定番です。

@Nawab日本橋
- 🍛 ご飯もの・炊き込み系(Pilaf / Steamed Rice)
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- 🥘 アチャーリー・ホワイト系(Achari & White Curries)
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- 🍲 スープ・煮込み系(Stew / Gravy)
- 🥣 粥・練り系(Haleem & Lentil Porridge)
- 🌱 豆・野菜系(Lentil / Vegetable)
- 🛒おうちで再現するなら、まずはレトルト!?🍛
- ✨まとめ|黒板の料理名、読めなくても大丈夫
🛒おうちで再現するなら、まずはレトルト!?🍛
✨まとめ|黒板の料理名、読めなくても大丈夫
黒板メニューって、ちょっと読み慣れない料理名もあるし、写真がないことも多い。
でも、だからこそ 「なんだろこれ?」 ってワクワクするのも事実です。
正直、よくわからないまま注文したこともあります(笑)
それでも、出てくる料理はどれも魅力的で、パキスタン料理や現地系レストランの黒板メニューは、
いつの間にかお気に入りが増えていくんですよね。
この記事が、そんな日替わり・限定メニューに挑戦してみるきっかけになればうれしいです😊
お近くにお店🇵🇰があれば、ぜひ一度トライしてみてください。
次の黒板、何が出るかはお楽しみ🛫 日々更新していきま〜す!
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